2019年度までの主任担任教師・下田洋一牧師による


「創世記・原初史物語を読む」

「マルコ福音書から」


連載原稿のアーカイブです。


注)創世記・原初史物語を読む                  

*これから創世記の初めのところにある「原初史物語」と称されている、1章から11章の終わりまでのところにしるされている物語を読んでゆく。

*物語にはメッセージが溢れている。ここではメッセージを聴き出すことに集中したい。

*聖書の本文は「新共同訳聖書」の「創世記」を用いることとした。


それではさっそく物語に立ち入ってゆくことに。



礼拝のメッセージから

2018年11月30日 13:31

「四つの川」

2章10~14には〈四つの川〉についての記述がある。この記述は物語の本筋から離れているようにみえる。が、そうであろうか。   ここにしるされていることは、エデンの園から流れ出ている川がエデンの園を潤すと共に、四つの川となって流れ出て、当時考えられ得た世界の全ての地域を潤す、それがしるされている。   古代オリエントの世界では〈川〉の水が得られる場というのは人々の生活の場である。そうすると、この〈四つの川〉の物語は、この地上の全ての世界の人々の生活の場に〈エデンの園の水〉が流れ出ており、この地上の全ての人々はこの〈水〉を介して〈エデンの園〉につながることができるということ、そ

—————

2018年11月30日 13:21

「エデンの園」

原初史物語はここから〈物語〉を始める。   2章8 「主なる神は、東の方のエデンに園を設け、自ら形づくった人をそこに置かれた。」   物語は、神ヤハウェは人間を〈エデンの園〉に置いたと語る。その〈エデンの園〉は〈果樹農園〉であった。〈果樹農園〉は美しく描写されている。   2章9 「『見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木』が生えていた。」   この美しい描写は、神ヤハウェが人間を置いた果樹農園は〈人間が生きるに極めて良好な最上の場であった〉ということを言っているとみてよいだろう。この描写にも物語作者の編集意図があるのではないかとおもわ

—————

2018年11月02日 17:30

「人間の創造」

2章4後半から新しい物語が始まる。その新しい物語の初めにしるされているのは〈人間の創造〉である。   2章7 「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、」   〈人間は土で造られた〉とある。この文章はこの後に語られる物語のために敷かれた伏線であるとおもわれる。   この後に語られていることは人間が〈神のようになる〉ことへの誘いであるが、物語作者がそれを語るとき、その〈神のようになる〉とは人間が〈土で造られた〉ことを棄却すること、それを言おうとしていると言ってよい。物語作者はそれを語るために伏線を敷いた、それが2章7の〈人間は土で造られた〉である。 &

—————

2018年09月10日 10:04

「安息の創造」 

2章1~4前半        ...

—————

2018年09月10日 09:46

「食べ物」

1章29~30 「神は言われた。『見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。』そのようになった。」   ここで、再びゲルハルト・リートケの『生態学的破局とキリスト教』(原題は『魚の腹の中で』)の述べているところを紹介する。   創世記1章29~30の記述の動機意図は抗争調整としての食べ物の割り当てにある。1章30記述はこうなっている。人には「種をつける草と樹」、人以外の生きものには「緑の草」。原初史物語がここで語っていることは、「

—————

2018年06月22日 17:07

「人の創造」

 1章24~28 「神は言われた。『地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、這うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。』そのようになった。神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。神は言われた。『我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。』神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福して言われた。『産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。』」  

—————

2018年06月22日 16:59

「生きものの創造」

  1章20~23 「神は言われた。『生き物が水の中に群がれ。鳥は地の上、天の大空の面を飛 べ。』神は水に群がるもの、すなわち大きな怪物、うごめく生き物をそれぞれに、また、翼ある鳥をそれぞれに創造された。神はこれを見て、良しとされた。神はそれらのものを祝福して言われた。『産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。』夕べがあり、朝があった。第五の日である。」   原初史物語の天と地の創造の第五の日は生きものの創造。生きもののうち、海の中の生きものと、大空を飛ぶ生きものが言及される。   原初史物語において海と大空は水を置く場所。その「水」であるが、原初史物

—————

2018年05月26日 12:02

〈季節〉  

1章14~19 「神は言われた。『天の大空に光る物があって、昼と夜を分け、季節のしるし、日や年のしるしとなれ。天の大空に光る物があって、地を照らせ。』そのようになった。神は二つの大きな光る物と星を造り、大きな方に昼を治めさせ、小さな方に夜を治めさせられた。神はそれらを天の大空に置いて、地を照らさせ、昼と夜を治めさせ、光と闇を分けさせられた。神はこれを見て、良しとされた。夕べがあり、朝があった。第四の日である。」   物語は、神が大空に二つの光る物を造ったと語る。その二つは「太陽」と「月」のことであるが、ここでその名は出されていない。   古代オリエントにおいて、太陽と月は神

—————

2018年04月15日 13:31

 [委託]

1章11~13   「神は言われた。『地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持 つ実をつける果樹を、地に芽生えさせよ。』そのようになった。地は草を芽生えさせ、それぞれの種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける木を芽生えさせた。神はこれを見て、良しとされた。夕べがあり、朝があった。第三の日である。」    ここには天と地の創造の三日目のこととして、「種を持つ草」「種を持つ実をつける果樹」が創造されたとある。ここで、それが何を意味するか探ることにする。   創世記1章の天と地の創造物語の終わりの29節と30節にはこうしるさ れている。 「神は言われた。『見よ、全地

—————

2018年03月09日 10:15

「地」

1章9~10「神は言われた。『天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。』そのようになった。神は乾いた所を地と呼び、水の集まった所を海と呼ばれた。神はこれを見て、良しとされた。」ここで原初史物語の作者は、神は天と地の創造の業の三日目に「乾いた所」を造った、神はその「乾いた所」を「地」と呼んだ、と語る。そして、神はこの三日目に「水」を置く所を創造し、その「水のある所」を「海」と呼んだ、と語る。ここで原初史物語の作者は、神は「地」を「乾いた所」として創造した、すなわち「地」を「洪水」のない所として創造した、つまり、「洪水」の暗喩で言われている戦争暴力のない所として神は「地」を創造した、と語る。

—————