1945年8月9日

2014年08月10日 10:30

 きょう新聞にて「長崎平和宣言」を読んだ。今年も宣言の内容が濃い。昨年も充実した内容の宣言であったが、今年はさらに充実した内容の宣言であるとおもった。ここで宣言の一部を紹介したい。

 宣言は冒頭で69年前の8月9日午前11時2分、米軍が投下した原子爆弾によって長崎がいかなる惨状をしいられたかを述べる。この部分を紹介しなければならないことは承知しているが、先に進むことにする。

 宣言は次にこうのべる。今世界に1万6千発を越える核弾頭が存在するが、これが使用されずにきたのは被爆者の存在と声があったからである。被爆者たちが必死に警鐘を鳴らし続けてきたからである。宣言は被爆者たちの懸命の努力に言い及び、被爆者たちの働きの大いなる意義を確認する。

 宣言はそのあとこう問いかける、「もし今、核兵器が戦争で使われたら世界はどうなるのでしょうか。」宣言は今年2月メキシコで開かれた「核兵器の非人道性に関する国際会議」において明らかにされたことについて報告する。この国際会議に146カ国の代表が集まり、人体、経済、環境、気候変動など、さまざまな視点から、核兵器がいかに非人道な兵器であるかを明らかにした。その中で、もし核戦争になれば、傷ついた人々を助けることもできず、「核の冬」の到来で食糧がなくなり、世界の20億人以上が飢餓状態に陥るという恐るべき予測が発表された。

 宣言は核兵器保有国とその傘の下にいる国々に呼びかける、核兵器のない世界の実現のために、いつまでに何をするのかについて核兵器の法的禁止を求めている国々と協議ができる場をつくること。宣言はここで「日本政府は核兵器の非人道性を一番理解している国として、その先頭に立ってください」と呼びかける。

 宣言は集団的自衛権に言及しこう述べた。被爆者たちが自らの体験を語ることで伝え続けてきた、その平和の原点がいま揺らいでいるのではないかという不安と懸念が生まれている。日本政府にはこの不安と懸念に真摯に向き合い、耳を傾けることを強く求める。

このような内容の優れた宣言が出される、ここに希望の灯を見る。これを出された長崎市長とこれをつくりあげた長崎市の関係委員会の方々の努力に敬意を表したい。