哀悼スピーチ

2016年07月03日 10:30  このたび沖縄における事件の報道に接し「腸(はらわた)が引きちぎれる」思いに駆られた。報道の伝える事件は沖縄の二十歳の女性が米軍の元海兵隊員によって強姦され殺され山林に棄てられるという暴虐極まるものであった。

 6月19日沖縄市の奥武山(おおのやま)公園に沖縄県民大会が開かれ、集った者は6万人を越えたという。この集会で沖縄の同世代の女性がスピーチした。その全文が購読の新聞に掲載された。ここにそれを紹介する。

  スピーチは四者に向けられているが、まずは「被害に遭われた女性へ」。スピーチはまず被害に遭われた女性にささげられた。スピーチは彼女にこう語る、「あなたのことを思い、多くの県民が涙し、怒り、悲しみ、言葉にならない重くのしかかるものを抱いていることを絶対に忘れないでください。」

スピーチはさらにこう語る、「あなたとあなたのご家族、あなたの大切な人々に平安と慰めが永遠にありますように、私も祈り続けます。」

スピーチが次に向けているのは「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。」スピーチはこう語る、「今回の事件の『第二の加害者』はあなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか。」(この後述べられているところは紹介を割愛。)

スピーチは米国大統領「バラク・オバマさん」に向けられる。スピーチはこう語る、「アメリカから日本を解放してください。そうでなければ、沖縄に自由とか民主主義が存在しないのです。私たちは奴隷ではない。あなたや米国市民と同じ人間です。オバマさん、被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合い、謝ってください。」

スピーチはこう続く。「自分の国が一番と誇るということは結構なのですが、人間の命の価値が分からない国、人殺しの国と言われていることを、ご存じですか。軍隊や戦争に対する本質的な部分を、アメリカが自らアメリカに住む市民の一人として問い直すべきだと、私は思います。」

スピーチは「会場にお集まりのみなさん」に向けられる。(ここの紹介も割愛させていただく。)

このスピーチを読んだときわたくしは、深い哀悼の思いの籠められた告別説教を聞いたのであった。