誠実に

2014年09月07日 10:30

「集団的自衛権」を行使したらどうなるか。想定される最も現実的な事態はこうである。

日米安全保障条約の締結国の米国を攻撃する者に対し日本は攻撃することになる。攻撃者された者は日本に恨みをいだき、日本を攻撃してくる。そのとき攻撃の方法はあの米国ニューヨークの世界貿易センターに航空機が突入したと同じ。違うのは航空機に原子爆弾の搭載。

日本の原子力発電所の原子炉は止めているところが大多数だが燃えが止まっているわけではない(燃えが止まるには十年かかる)。また使用済み核燃料棒をプール(水)の中で高熱をさげるべく冷している。水漏れがないよう細心の注意必要。そこに原爆搭載の航空機が突入したらいかなる惨事となるかは書くまでもない。

日本には50を越える原子力発電所が全国に散在。これをすべて常時自衛していることは不可能。したがって日本の安全は世界の国々および人々と友好的な関係にあることによってこそ保持される。こんなことはだれにも分かっている自明の理。

 

「集団的自衛権」を主張する首相の発言を新聞とテレビの報道で知る限りこの人の言葉は筆者には理解不能。

集団的自衛権の発動で生じる最も現実的な事態についての問いに対する首相の言葉は「私は国民の安全を守る責任者である」、「私は平和に積極的に貢献する」といった大義名分の言葉の繰り返し。これでは集団的自衛権の発動で生じる最も現実的な事態についての問いの答えにはなっていない。まともに答えず、はぐらかしていると言わざるをえない。

先日の新聞報道によれば政権党の衆議院議員が長崎市長の平和宣言の中での集団的自衛権についての危惧表明に対し言いたいのであれば国会議員になってからにせよと述べた。記者団の問いにこの国会議員は「集団的自衛権」とは自国の安全を守る方法の問題であると述べた。この国会議員に求めたい、集団的自衛権の発動によって生じる最も現実的な事態についての問いにはぐらかすことなくまともに答えることを。

まともな問いに対しまともに答える、はぐらかしをしない、誠実に向き合う。これはだれにも求められる自明の理。この自明の理は政治の世界では失われているようだ。わたしたちのあいだではそうであってはならない。

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