沖 縄

2015年12月06日 10:30

 

今この国日本における最大の問題は沖縄の辺野古に米軍基地を日本政府が建設する問題だ。

日本政府は建設を強引に進め、その手法は常軌を逸している。沖縄県の翁長雄志知事は民意に基づき、これを造らせないとして闘っている。新聞報道から想像するに翁長知事は「熱く」しかし「冷静に」闘っておられるようだ。

購読の新聞の報道によると翁長知事は今年9月スイス・ジュネーブでの国連人権理事会で演説しその中で「沖縄の自己決定権」について述べた。この翁長知事の演説は国際法の基本原則を確認したものと言いうる。国連の定める国際人権規約の第一条にこうある、

「全ての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、全ての人民は、その政治的地位を自由に決定し、ならびにその経済的、社会的および文化的発展を自由に追求する。」

ここで言われている「人民」とは歴史・領土・文化などで一体性を自覚する集団のことを指す。最近使われている言葉に

「アイデンテイテイ」があるが、これは「自分という存在の独自性の自覚」というほどの意味であるが、「人民」の意味するところと重なると言ってよい。

購読の新聞は沖縄の自己決定権に関する特集を組んだが、そこに自治の専門家である片山善博氏(鳥取県知事を二期つとめ、現在は慶応大学教授)の所見を載せている。片山氏は言われる、

「地域の海岸の埋め立てはまさに自己決定権の問題だ。」「防衛・外交は国の専権事項だ。しかし安全保障の政策の場所」を「なぜ沖縄県だけが引き受けなければならないのか。政府が責任を持って決めることであり、沖縄県側に『代わりの適地を見つけろ』というのはおかしい。この沖縄県側の異議の申し立てには共感するところが多い」。

わたしには沖縄語(ウチナーグチ)を自由に話すことのできる友人がいる。彼は両親を沖縄戦で失い祖母に育てられた。そのゆえであろう。

沖縄の牧師の彼はわたしの安否を尋ねる電話をくれる。わたしは先日の長い電話の終わりに尋ねた、翁長知事が進めていることについてどう考えたらよいか。彼は言った、翁長知事の闘いには「沖縄のアイデンテイテイ」がかかっている。