今年の平和賞

2017年10月01日 10:00

今号は次のことを記さなければならない。今年のノーベル平和賞は「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に贈られる。拠点をスイスのジュネーブに置いて世界の各地で核兵器廃絶の活動を展開。平和・軍縮・人権に取り組む470ほどの団体(100カ国に及ぶ)が参加。国連は7月に核兵器禁止条約を制定することを122カ国の賛成を得て採択したが、ICANはこのことに貢献したことが評価された。

報道によるとICANのフィン事務局長は記者会見で「広島・長崎の被爆者は核兵器禁止条約制定の重要なプレーヤーだ。被爆者は1945年以降、原爆による悲惨な体験を語り続け世界に知らせてくれたことが核廃絶運動にとって非常に役だっている。12月にオスロで開かれる平和賞授賞式に被爆者もいてほしい」と語った。なお、採択された国連の核兵器禁止条約の前文には「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみに留意する」と明記された。

この国日本の被爆者・被曝者の方々は筆舌に尽くせぬ苦しみを敢えて言い表し世界のいろいろな所に行き訴えて来られた。このことが世界の輿論となり、国連を動かし、ノーベル賞委員会を動かした。

しかし、この国日本の政府は国連の核兵器禁止条約に署名しないと表明した。理由は、この条約は核保有国と非保有国の対立を深め、かえって核兵器のない世界を遠ざけることになる、日本は核保有国と非保有国の間に立って調整する役割をするのでというものである。この政府の態度に被爆者団体は憤りを禁じえず、8月に広島、長崎を訪れた安倍首相に強い怒りを込め抗議したのであった。

被爆者・被曝者は語る、核兵器は絶対に使用してはならない、廃絶するほかない、核兵器の使用は人の道に反する、人道上許されない。

 創世記にこんな隠喩物語がある。食べてよい木の実は溢れている、が、一つだけは食べていけないものがある。教会にはこの三千年前の物語を今日新しく語る責任がある。


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