「四つの川」

2018年11月30日 13:31

2章10~14には〈四つの川〉についての記述がある。この記述は物語の本筋から離れているようにみえる。が、そうであろうか。

 

ここにしるされていることは、エデンの園から流れ出ている川がエデンの園を潤すと共に、四つの川となって流れ出て、当時考えられ得た世界の全ての地域を潤す、それがしるされている。

 

古代オリエントの世界では〈川〉の水が得られる場というのは人々の生活の場である。そうすると、この〈四つの川〉の物語は、この地上の全ての世界の人々の生活の場に〈エデンの園の水〉が流れ出ており、この地上の全ての人々はこの〈水〉を介して〈エデンの園〉につながることができるということ、それを物語っていると言ってよいだろう。

 

この後、人間はエデンの園において生き続けることができなくなりエデンの園を出ることとなる。そうすると、この物語はその前に、エデンの園の外にいることになる人間が〈エデンの園の水〉に接し、〈エデンの園〉とつながることができる、それを物語っていると言ってよいだろう。

 

この物語は文脈から離れているようにみえるがそうではない。この物語は、エデンの園の外にいることになる人間が〈エデンの園〉とつながり得ることを物語っている。ここでも物語作者は希望へとつなぐ配慮を示していると言ってよいだろう。

—————

戻る